12月11日にChikugo Migraine Therapy Seminarで「知っトク!頭痛診療のコツとCGRP関連製剤の最新情報」で講演させていただきました。
今回は日頃行っている頭痛診療についてと片頭痛の治療薬CGRP関連製剤についてお話してきました。片頭痛はつらい頭痛のために寝込んだり仕事ができなかったり学校を休んだりする生活支障度の高い疾患です。現在、「片頭痛専用」の発作発症抑制薬としてCGRP関連抗体製剤の注射薬が使えるようになりました。アジョビ皮下注射は4週間投与、12週間投与、在宅自己注射が選択できます。12週間投与の場合、病院で3本注射することで3カ月間は予防治療(注射)のことを忘れられます。仕事や学校、子育てなど忙しくて外来通院が難しい方にはお勧めです。また、在宅自己注射にすれば自宅で自分の都合で落ち着いた時間にうつことができます。ご自分の大切なライフイベントを守りながらライフスタイルに応じて投与ができます。今回はアジョビの長期治療成績など最新の情報もお話し致しました。片頭痛はつらい疾患ですが、頭痛からの解放を目指して一緒に治療していければと願っています。
今回は久留米にお邪魔して九州医療センター勤務時代に一緒に働いていた姉川脳神経外科副院長の姉川敬裕先生に座長をしていただきました。ありがとうございました。
12月6日第82回日本頭痛学会総会が横浜で開催されました。
「脳神経外科クリニックを受診する可逆性脳血管攣縮症候群による頭痛の臨床的検討」について発表してきました。
可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)は雷鳴頭痛で発症し、経過中に脳血管攣縮を認め、約3割に何らかの脳卒中を合併する疾患です。RCVSは稀ですが、一定数クリニックの頭痛外来を受診する可能性があることが示されました。
いつもと違う激しい頭痛の場合、二次性頭痛の可能性があり、くも膜下出血やRCVSによる頭痛などを否定する必要があります。RCVSは産褥期に起こったり、薬剤が原因で起こることがあります。また、排便・シャワー・入浴・労作・運動・感情・性行為・咳などを誘因として雷鳴頭痛が起こるのが特徴です。この頭痛の診断が難しい点は受診時に頭部MR検査で異常がなく、2~3週間後に血管攣縮の所見が得られることがあることです。
いつもと違う頭痛があれば医療機関を受診することをお勧めいたします。
12月6日はクリニックをお休みさせていただき患者さんには大変ご迷惑をおかけいたしましたことお詫び申し上げます。
10月27日にMigraine Meeting in九州・沖縄 ~頭痛診療のコツを学ぶ~の講演会が開催されました。九州各地で頭痛診療をしている先生方が多数参加されたようです。
私は「私は、頭痛患者さんのココを診る~頭痛外来のやり方って教わったことありますか?~」のタイトルで講演させていただました。佐賀県のおそえがわ脳神経内科の小副川学先生は「片頭痛による生活支障を聞き取るコツ」について、唐津赤十字病院の岩崎めぐみ先生は「月経関連片頭痛を共に考える」についてご講演されました。東京の品川ストリングスクリニック院長山王直子先生からは「片頭痛の慢性化を防ぐための早期介入の重要性」とのご講演のなかで多数のCGRP関連製剤の使用経験に基づく知見を教えていただきました。
Opening Remarksで熊本の済生会熊本病院の橋本洋一郎先生が御挨拶をされました。橋本先生は2年後の日本頭痛学会の会長をされる予定で、これからますます九州の頭痛診療を盛り上げていく必要があります。
10月8日東区内科医会で講演させていただきました。
地域における脳神経外科クリニックの認知症診療~「いま」と「これから」~
東区の内科や精神科の先生方に認知症の診断から最新の治療についてお話しさせていただきました。最近新しい貼り薬やアルツハイマー型認知症の原因物質を除去する注射薬が使えるようになりました。WHOで提唱している認知機能低下を予防できる対策12項目についてもお話いたしました。内科の先生方にも関心の高い認知症についての講演であったのか、多数の先生方にご聴講いただきたくさんの質問をいただきました。まだまだ解決すべき課題はたくさんありますが、地域で認知症患者さんやその家族を支える社会を作る必要がありますし、その一助になる診療ができることを望んでいます。